第2章 WINおよびhypomh関連ファイルのフォーマット

第2章 WINおよびhypomh関連ファイルのフォーマット

WINフォーマット

WINフォーマットはバイナリ列のデータで, あらかじめ定められた先頭からのByte数を基準に, どこに何の情報が入っているかが決まっている.

1秒長がデータの1単位で, 1秒長のファイルをLinuxのcatコマンドなどで結合することで,より長い時間長のデータを構成することができる.

1秒データ

WINフォーマットは各1秒長データ内で完結している. 具体的には1秒データごとに開始時刻,サンプリングレート,チャンネル名などの最低限の情報が入っている.

速度構造(stan)ファイル

hypomhの説明ではstanファイルと記されている. 震源決定プログラムhypomhで用いられる速度構造ファイル.

行ごとに内容が定められ,かつ固定長である. P, Sの速度を個別に指定することはできず,P波速度(Vp [km/s])構造だけを指定する. 深さは0から始まり,km単位で各層の厚さを指定する.

stanファイルについて,震源決定において以下の仕様があることに留意せよ.

hypomhによる震源決定で出力されるfinalファイルのフォーマットについて記す. winから震源決定を行った場合はpickファイルの「#f」で始まる行に出力される.

ファイルの構成は以下の通り:

  • 1行目: 震源決定の解
    順に発震時刻,緯度,経度,深さ[km],マグニチュード.
  • 2行目: 解の診断と誤差
    順に解についての診断(CONV:収束, NOCN:発散,DEEP:深部.AIRF:遠地)と 発震時刻,緯度,経度,深さ方向それぞれの誤差.
    診断については,CONV以外は正確な結果を期待できない(CONVだからといって「正しい」とも限らないが). また発震時刻の誤差は常に0が出力される.
  • 3行目: 誤差共分散行列の成分
    順に体格行列の成分Cxx,Cxy,Cxz,Cyy,Cyz,Czz. Cxx,Cyy,Czzはそれぞれ緯度,経度,深さ方向の誤差の二乗. 震源位置の誤差楕円を描く際に使用.
  • 4行目: 計算で用いられた初期震源
    順に緯度,その不確かさ[km],経度,その不確かさ[km],深さ,その不確かさ[km].
  • 5行目: 計算に関する他の情報
    順に観測点数,速度構造名,Pピックデータ数,Sピックデータ数,初期データ数.
    ただし,初期データ数は初期震源の座標の数であり,常に3が出力される. またP, Sそれぞれの寄与率がカッコ内に出力されるが,公式マニュアルによるとそれらの値は信用できないらしい.
  • 6行目: 観測点ごとの検測情報
    順に観測点コード,P初動極性,震央距離[km],観測点方位角,射出角,入射角, P読み取り時刻[s],P読み取り精度[s],PのO-C時間(理論と結果の差)[s], S読み取り時刻[s],S読み取り精度[s],SのO-C時間(理論と結果の差)[s], 最大振幅[m/s]またはF-P時間[s], マグニチュード.
    F-P時間は最大振幅が読み取られておらず,かつイベント継続時間読まみとられている際に表示される. そうでないときは最大振幅の値である.
    観測点の数だけ行が続く.
  • 7行目: 全観測点をまとめたP,SのO-C
    順にP, SのO-C時間の標準偏差[s].
finalファイルの書式.

finalファイルの書式.

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