第2章 WINおよびhypomh関連ファイルのフォーマット
WINフォーマット
Note
詳しくは以下を参照: https://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/WIN/man.ja/winformat.html
WINフォーマットはバイナリ列のデータで, あらかじめ定められた先頭からのByte数を基準に, どこに何の情報が入っているかが決まっている.
1秒長がデータの1単位で, 1秒長のファイルをLinuxのcatコマンドなどで結合することで,より長い時間長のデータを構成することができる.
1秒データ
WINフォーマットは各1秒長データ内で完結している. 具体的には1秒データごとに開始時刻,サンプリングレート,チャンネル名などの最低限の情報が入っている.
速度構造(stan)ファイル
Note
参考:
- https://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/WIN/man.ja/win.html
- hypomh.f 989行目~
hypomhの説明ではstanファイルと記されている. 震源決定プログラムhypomhで用いられる速度構造ファイル.
行ごとに内容が定められ,かつ固定長である. P, Sの速度を個別に指定することはできず,P波速度(Vp [km/s])構造だけを指定する. 深さは0から始まり,km単位で各層の厚さを指定する.
stanファイルについて,震源決定において以下の仕様があることに留意せよ.
Note
震源決定時の仕様:
- S波速度Vsは, Vp/Vs=1.73として扱われる.
- 標高0kmより高い部分のVpは,0kmにおけるVpとする.
- 各層の上端のVpを与え,それらを線形で結んだ速度構造として扱う.
- 「層の数」の上限は20(層の厚さは21個まで, Vpの数は22個まで).
- 初期震源の時刻の不確かさは入力が必要だが,使われない.
- 直接hypomhを使わずにwinで震源決定するときは,初期震源の緯度と経度は使われない(深さは使われるようだ).
ファイルの構成は以下の通り:
- 1行目: 初期震源の位置
緯度,経度,深さ[km]を各10文字区切りで. - 2行目: 層の数と名前
層の数は5文字の整数.2文字のスペースをあけて,3文字の構造名を記す. - 3行目: 層上端のVp
各10文字区切り.7つごとに改行する. - 4行目: 各層の厚さ[km]
各10文字区切り.7つごとに改行する.

ソースコードでは2行目の名前の後に続けて, 書式「F10.3」の値を二つ読み取っているが, マニュアルに未記載で何なのかわからない. サンプルファイルには1つ目に「1」とあるが,2つ目は空白. 要確認.
震源結果(final)ファイル
Note
参考:
- https://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/WIN/man.ja/pickfile.html
- hypomh.f 289行目~
hypomhによる震源決定で出力されるfinalファイルのフォーマットについて記す. winから震源決定を行った場合はpickファイルの「#f」で始まる行に出力される.
ファイルの構成は以下の通り:
- 1行目: 震源決定の解
順に発震時刻,緯度,経度,深さ[km],マグニチュード. - 2行目: 解の診断と誤差
順に解についての診断(CONV:収束, NOCN:発散,DEEP:深部.AIRF:遠地)と 発震時刻,緯度,経度,深さ方向それぞれの誤差.
診断については,CONV以外は正確な結果を期待できない(CONVだからといって「正しい」とも限らないが). また発震時刻の誤差は常に0が出力される. - 3行目: 誤差共分散行列の成分
順に体格行列の成分Cxx,Cxy,Cxz,Cyy,Cyz,Czz. Cxx,Cyy,Czzはそれぞれ緯度,経度,深さ方向の誤差の二乗. 震源位置の誤差楕円を描く際に使用. - 4行目: 計算で用いられた初期震源
順に緯度,その不確かさ[km],経度,その不確かさ[km],深さ,その不確かさ[km]. - 5行目: 計算に関する他の情報
順に観測点数,速度構造名,Pピックデータ数,Sピックデータ数,初期データ数.
ただし,初期データ数は初期震源の座標の数であり,常に3が出力される. またP, Sそれぞれの寄与率がカッコ内に出力されるが,公式マニュアルによるとそれらの値は信用できないらしい. - 6行目: 観測点ごとの検測情報
順に観測点コード,P初動極性,震央距離[km],観測点方位角,射出角,入射角, P読み取り時刻[s],P読み取り精度[s],PのO-C時間(理論と結果の差)[s], S読み取り時刻[s],S読み取り精度[s],SのO-C時間(理論と結果の差)[s], 最大振幅[m/s]またはF-P時間[s], マグニチュード.
F-P時間は最大振幅が読み取られておらず,かつイベント継続時間読まみとられている際に表示される. そうでないときは最大振幅の値である.
観測点の数だけ行が続く. - 7行目: 全観測点をまとめたP,SのO-C
順にP, SのO-C時間の標準偏差[s].
